2015年5月11日月曜日

さらに発達を伸ばすために

発達の遅れがあると、発達を伸ばすために療育を受けるというのが通常です。しかし、その療育は施設や機関によって玉石混交というのが僕の印象です。

そこで僕は開業するまでに療育としてしっかりしたものはないのかと探して、見つけたのが現在当院で発達障害の子たちに行っているABA(Applied Behavior Analysis、応用行動分析)でした。ABAは効果がはっきりしており、体系化されているため、親御さんの協力さえ得られれば、効果の差さえあれ、今までできなかった言葉を含めた日常生活で必要な動作を着実にできるようにしてくれます。またABAの考え方は健常の子であっても、育児に悩む親御さんに方向性を示してくれます。

僕はその後も発達障害の子たちが抱える問題、ご家族の悩みをさらに改善できる方法を探していたところRDI(Relationship Development Intervention、対人関係発達指導法)を見つけて、昨日当院の心理士の木村先生と一緒に勉強に行ってきました。

これは自閉症の子たちの本質的な問題である社会性、状況に合わせた対応、人間的な情緒交流をできるようにするための方法です。RDIでは健常の赤ちゃんがどのような段階を経て、成長するのかを細かく分析したものをモデルに、それらがまだできていない自閉症の子供の親御さんに丁寧に指導していくものです。

僕の拙い理解の中で、ごく簡単にそのステップを説明するとすれば、

①まずは親御さんの心をある程度まで健康にし、時間的余裕を保つ
②子供の身体的な健康(睡眠、食事、排泄、免疫機能、アレルギー、てんかん、注意、集中、行動のコントロール)を整える
③子供の生活環境をシンプルにして、本人にとって生活の負担を減らし(ABAなどの療育)、刺激の少ない状況にする
④親御さんと本人との間でガイド関係(愛着、信頼関係)を作る
⑤マニュアルに則って、定型発達の過程のやり直し(育て直し)を行う

となります。

そして何よりもRDIが目指しているのは成人後に就労、社会貢献、友人関係、結婚など健常の人たちがしていることをできるようにすることです。何よりも印象的だったのは「福祉を受ける人ではなく、納税ができる人にする」という言葉でした。つまり自閉症と付き合うのではなく、自閉症を治すという観点に立っているのです。

RDIを正式に行うにはアメリカで研修、課題、試験をクリアしなければならず、さらにご家庭の状況を含めた様々な条件をクリアしなければならないため、実際のRDIは行うことが困難です。しかし、子供の身体的、精神的状態をまずは健康にしていくこと、親子の愛着を大切にすること、健常の子たちが経てきた過程を自閉症の子たちにも徐々に経てもらうというごく自然な考え方はすっと入ってきますし、とても勉強になりました。RDIについてさらに勉強を深めて日々の診療、ABA、カウセリングに生かすつもりです。そして何よりも、まずは親御さんの心の健康が大切であるという僕がこれまで臨床の中でずっと感じてきたことを再確認できたことは大変自信になりました。

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