2015年3月15日日曜日

患者さんの価値観や常識に合わせる

毎日、いろんな訴えや要望を持った新しい患者さんと出会います。はじめましてのあいさつから、その患者さんやご家族がどのようなことで来られたのかをお聞きします。お聞きしながら、この人は本当は何を望んでいるのかを考えます。

診断をはっきりさせたい、自分の寂しい気持ちを聞いてほしい、育児がこのままでいいのかという不安を解消したい、病気を治したい、セカンドオピニオンなど、多様です。いかにこれらの患者さんの望みを早く汲み取って、それに向けて頭を使う。

ここで大切なのはこちらがよかれと思うことと、その患者さんが望んでいることは違うことがあるということ。議論は分かれると思いますが、例えば、肺気腫の患者さんが医者にタバコをやめるように言われているのに、患者さんはやめない。糖尿病の患者さんが甘いものを止められているのに、甘いものを食べる。僕の場合なら、躾を受けていないお子さんが来られて、躾をしてくださいと僕がお話しても、「いや、この子がかわいいし、躾なんていらない。私は困ってない」と言われる方もいます(ただこの方も何らかの不安を抱えて来られているはずです)。以前の僕はそれでも、持論を展開して、そのお母さんを説得していました。でも最近思うのは説得はあまり意味がない。それよりも、その患者さん(クライアント)が何を望んでいるのかを正確に把握し(患者さん自身も自分のニーズを把握していないことも多い)、それに合わせて、社会的に間違ったことでなければ、こちらがそれに合わせていく。はっきり言えば、僕の意見なんてどうでもいい。もちろん、中には医者の意見、判断に任せると言われる方もいます。一番困るのは医者の意見を聞きたいと言いながら、それをお答えしたら、その人のお考えに合わず、受け入れていただけない場合。その時はその人のお望みのことを言ってもらえるところに行っていただくしかありません。しかし、これも僕の技量不足(いや、度量不足?笑)かなと思います。

とにかく、価値観を押し付けるというのはかなり無意味だなと思うのです。僕の価値観や常識じゃなくて、その患者さんの価値観や常識に合わせて、できるだけその方のニーズにお応えする。それが大切な気がします。

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