2015年2月2日月曜日

心理検査に対する過大な期待

当院には発達障害かどうかを診て欲しいという方が多く来られます。そして発達障害が疑われる場合には基本的に心理検査も受けていただくことになります。

ただ、中に心理検査の結果に対しての親御さんの過大な期待を感じることが多くあります。中には心理検査だけを受けて、初診が終わると、それ以降の診察をさせていただけない方にお会いしたこともありました。

それはなぜなのかを僕なりにずっと考えていました。そして気づいたんです。それは精神科以外の科では病気の診断基準に検査結果が必ずと言っていいほど入っているため、医者は多くの場合、検査をしてその結果で診断します。患者さんにとってはそのイメージが強すぎて、診断=検査結果となっているわけです。

すごく基本的なことの確認ですが、発達障害は心理検査で診断するものではありません。自閉症スペクトラム障害やADHDの診断基準に心理検査の結果という項目はありません。僕が心理検査が診断に役に立つと思う点は5つあります。

①検査の結果や検査中の様子観察から発達障害を含めたその人の特徴を見つけられる場合がある
②それらの結果から患者さんや親御さんへの接し方のアドバイスがしやすくなる
③僕以外の人(心理士)の目で見てもらえることで独りよがりの診断にならなくて済む
④診察で僕が思っていた見立てとずれがないのかを確認できる
⑤診察ではわからなかった問題点を見つけられる場合がある

つまり心理検査は診断をより正確にし、患者さんにアドバイスをするためのものです。どの科でも医者は同じだと思いますが、診察が基本にあり、検査は診断が間違っていないかの確認のためにするわけです。検査だけするのなら、その人は医者ではなく、単に「検査オーダーをする人」ということになります。精神科にかかわらず、できる医者ほど、診察で聞きたいこと、診たいところはたくさんあります。なぜなら鑑別診断や治療法がたくさん頭に浮かぶからです。患者さんの検査への過大な期待や誤解を変えていくためには医者自身が診察をもっと大切にすべきだと思います。

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