2015年1月18日日曜日

言葉は最後の治療手段かもしれない

脚本家の倉本聰さんがテレビで「台詞で全部を表現したら、むなしくなっちゃう。話しているとお互いが何を考えているのかわかる。台詞は最後の最後に使うもの。もともと人間は言語がなかったんだから。それをベースにして僕はドラマを描く。台詞が役者の仕事だと思ってる役者は論外」とおっしゃっていました。

「台詞を使わずに表現する」

これは精神科治療にも言えることだと感じます。精神科医にとって言葉が大きな武器であることに疑いはありません。言葉一つで治療は劇的に変わります。しかし、言葉で伝えようとして、伝えられないことがあるし、言葉って人によって捉え方も違えば、聴く側が聞き逃すなんてことも往々にしてあります。

言葉ばかりに頼るのではなく、医者が患者さんのその時に思っていることを感じ取って、こちらの所作、表情、患者さんとの情緒の交流など、言葉以外のものを通して、治療をする。今の僕は患者さんにいろんなことを話したくて、説明したくて、一生懸命に言葉を並べてしまいます。もちろん、僕の今の治療レベルはまだ低いので、治療者としての成長の過程ではこれも必要でしょうが、いろんな言葉を並べているうちはまだまだだなと思っています。もっと言葉を大切に使う必要がある。

いつの日か、患者さんの話をお聴きし、僕の言葉は本当に厳選した必要な言葉だけにして治療ができればと思います。言葉は最後の治療手段なのかもしれません。

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