2015年1月10日土曜日

医者と患者の治療への意欲の波

医者になってまだほんの10年と少しですが、治療には医者と患者さんの治したいというお互いの気持ちの波がある気がしています。

患者さんは自分の症状が出はじめてそれが明確になったはじめのころ、「これをなんとかしたい」という気持ちが湧いてくる。医者もその患者さんに出会ってすぐのころに、この人だけはなんとかしたいという気持ちが湧いてくる患者さんがいます(世間一般の正論としては医者はみなさんに平等じゃないとおかしいと言えると思いますが)。仕事を離れてもなぜか頭にいつも浮かんでくる。それがいつかといえば、医者がその患者さんと出会って初期の頃です。なかでもそれは初診のときに多いと思います。

それでは患者さんと医者にとって早期でないときはどうするのか。それもまた波がある気がします。病気が再発して患者さんがはじめて真剣に病気に向き合おうと思うと、医者も再発した患者さんの病気に向き合う気持ちが見えて、「よしやってやるぞ」と思う。または、患者さんにとってはいろんな医者に会ってきて、治療期間も長く半分絶望しているけど、そのとき出会った医者が「この人は治せる」と治療への道筋が見えて、それを患者さんに伝えることで患者さんの治療意欲が湧いてくることもあるでしょう。所詮、治療へのモチベーションは医者と患者さんの相互作用に規定されています。

患者さんの治したいという気持ちと、医者の治したいという気持ち。そんなお互いの治療への意欲の波がその病気を治せるのかを決める。この二つが重なったとき、治療は奏功する確率が高まる。そんな気がするんです。

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