2014年12月9日火曜日

ちょっと損をしたらいい

僕の祖父は1940年に韓国の田舎から日本に渡ってきました。祖父の家は村で一番の貧乏で、祖父は給食代が払えず、小学校4年生までしか学校に行けなかったそうです。その当時日本の統治下にあった韓国の田舎には職がなく、日本に行けば仕事があるらしいという噂を聞いて、祖父は18歳で日本に渡ってきたそうです。それから60年余りを日本で過ごして他界しました。その祖父がいつも言う口癖がありました。「ちょっと損をしたらいい」。

僕の中ではこの言葉が特に印象が強く残っていました。なぜなら僕自身、幼いころから自分が打算的でせこい人間であることを知っていたからです。なので、自分自身が人との関係の中で損をしてるということを感じると、いつも自分を慰めるためにこの「ちょっと損をしたらいい」という言葉を思い出すようにしていました。ちょっと損をすれば、あとで自分にまた運が回ってくるという意味です。

そんなとき、コメディアンの萩本欽一さんの本に出会いました。萩本さんは幼少期は裕福な家庭で育った後、中学生のときにお父さんの事業が傾いたことで、高校に行くための革靴が買えず、学校のあとはバイトをしなくてはならない生活をされていたそうです。そんな中で、萩本さんが高校の夏休みにとんかつ屋さんでアルバイトをしたときのこと、萩本さんを含めて同時に3人の高校生が雇われたそうです。そのときにお店のおばちゃんが「仕事は3つある。カツを揚げる人、配達をする人、皿洗いをする人」と言われた時に、萩本さんは一番に「僕、皿洗いします」と言ったそうです。それを選んだ理由は誰でもカツを揚げたいけど、それを選ぶと他の2人と仲が悪くなる、みんなが嫌がる皿洗いをしたほうがもめない、そしてもしかしたらお店の人によく思ってもらえるかもしれないという理由だったそうです。それで皿洗いを一生懸命にして夏休みを終えた最後の日、お店のおばちゃんから萩本さんだけが呼び止められて、「これからも働いてくれない?」と言われたそうです。そのときに萩本さんが思ったのは自分から損をしてたり、一生懸命していれば、やっぱり誰かが見てくれているということ。

今、ちょうど「私の履歴書」で萩本欽一さんが連載されてますよね。あまりにもうれしくて毎朝楽しみして読んでいます。みなさんもチャンスがあれば、萩本欽一さんの本、読んでみてください。「ちょっと損をしたらいい」。いい言葉だなと思います。

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