2014年12月6日土曜日

人は逆境にいるときこそ成長している

これまで何度となく、いろんな人や本の中で「中国の古典を読みなさい」と言われてきました。それで中国の古典をたくさん買ったきたのですが、なかなかとっつきにくくて、少し読んではやめるということを続けてきました。しかし、今回、NHKで菜根譚を見て、自分の心に響く古典に初めて出会えた気がしています。菜根譚は16世紀に書かれたとされる処世訓です。実際に読んでみて、これまで自分が悩んできたこと、思ってきたことが400年以上も前に書かれているものの中に答えがたくさんありました。つまり、人や社会は昔から何も変わっていない。色あせないとかそんな言葉で表現できるものではなく、いかに人間社会が普遍的なものであるかを感じました。その中で今回読んでみて、一番いいなと思う言葉を紹介します。

逆境の中に居れば、周身、皆鍼砭(しんべん)薬石にして、節を砥ぎ行いを礪(みが)きて、而(しか)も覚らず、順境の内に処(お)れば、満前(まんぜん)尽(ことごと)く兵刃戈矛(へいじんかぼう)、膏(あぶら・こう)を銷(とか)し、骨を靡(び)して、而かも知らず。
これを訳してみると以下のようになります。

人間は逆境にいるときは、悪いことが重なっても、身辺に起こるすべてが鍼や良薬であって、節操や礼節を高め、行いを磨き研ぐように、真剣にことに当たっているが、自分では実はそのことの大切な意味を悟っていない。ところが順境であるときには天が味方してくれているように思い、周辺のすべてが実は、刀や矛となって自分に鋭い刃を向けている、すなわち、骨身を削られ、体をとろけさせられ、骨抜きにされているのに、自分ではそれに気づいていない。

確かに僕の短い経験を振り返ってみても、順調なときはそれほど自分が成長してるとは思えず、むしろ、何かこれでいいのかなと内心は不安です。でも逆境にいるときは人として成熟し、成長していたように思います。

人は逆境にいるときこそ、知らない間にプラスになるものを得て、成長している。逆境にいるときはその問題を解決するために一生懸命に考えて、苦しいながらに耐えて、なんとか生き残るために人は努力します。でもその時は本人は余裕がないので、それをあまり意識していない。一方で、順調な時は流れに身を任せていれば、それなりに結果が得られるため本当の意味で成長することは難しい。むしろ危険が近づいてきているのに気付かずにいる。ここでさらにすごいのは逆境にいるときも順境にいるときも当の本人はそれに気づいていないという点です。

僕がここで感じた事は逆境のときは苦しい中でもがいているから、ほっておいても成長できます。そしてその成長があとで役に立つ。でも順調なときはそのときが楽なので、努力することを人は忘れがちです。成長が止まるわけです。逆境にいるときはほっておいても人として成長しているのだから、ある意味幸せで、人として最も大切な時間なのかもしれません。そう考えれば、今逆境にいる人も、少し心が軽くなるのかな、なんて思います。

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