2014年12月2日火曜日

その人のことを本気で労う

人は心が弱った時、自分を否定しがちです。自分の何がダメだったのか、やっぱり自分ってダメなんだ、頭が悪いから、もともとできる人とは自分は違う、などなど。否定的な言葉が頭の中にどんどんわいてきます。

仕事、家族、学校、社会での失敗、悲しい体験などいろんな話をお伺いします。多くの方はその中でもその人なりに精一杯やってこられた方がほとんどです。僕はお話を聴くときはなるべく客観的に聴くようにしています。それでも、どう見ても、一生懸命やってこられたと思うことのほうが多いのです。その当たり前のことにその方自身、周囲の人も気付けてあげられていないことが多い。その当たり前のことをお話しすると、少し表情が柔らかくなることがあります。そこから、その患者さんと少し関係ができるようになると、ご自身のいけなかった部分、言いにくいところもお話してもらえます。

仕事で失敗を繰り返し、周囲からいつも厳しい評価を受けている方がおられました。そこでその人の仕事の課題とその対策を毎週ノートに書いてもらい、その詳細を一緒に見ていきました。すると、その人なりのがんばりがよく見えてきました。そしてその努力を労うと、その方は「いつも先生のその言葉を聞きに来てるんです」と。そのときに気付いたのです。人は苦しい中でも自分が何かを一生懸命しているときに、誰かにそれを気付いてもらいたい、労ってもらいたい。精神科医として、そこにちゃんと気づくアンテナを張れているのか、そこが大切なのだと思いました。

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