2014年11月20日木曜日

自分の中にある違和感を大切にする

日々の診療の中で、自分が患者さんに言っていることに自信を持っているときは実はそれほど多くありません。内心、「それほんと?」、「うそじゃないの?」というような自分の中での違和感があるときがあります。もしかしたら、それよりもいい言葉、見立て、治療法があるのではないかと思います。

今、自分がしている治療に対して違和感をもったり、懐疑的であることは僕にとってはすごく大切なことです。なぜなら、その悩みを自分の中でいつも貯めていると、勉強しているときに、「あっ、あのときの悩みはこれで解消される!」と思えるときが来るからです。僕の場合、これを思えたのが、山上先生の行動療法、東豊先生のシステムズアプローチに出会ったときでした。治療することを最終目標として、人の話を聴くというのは実はそんなに簡単なことではありません。僕は大学を卒業して、小児科医になったとき、最初にまず自分が何を聞くべきなのかをわかりませんでした。精神科医にかわったときも、それまでの医者としての経験と教科書に書いてあることから、とりあえず通り一遍のことを聞いていました。でも、それをしていて、自分としてすごく違和感がありました。「その情報、ほんとに必要?」と心の中で思っていました。正直言えば、今もそれはまだあります。

この二人の先生の共通点は診察の中でなんとなく質問したり、声掛けをするのではなく、その時の言葉や態度にすべて理由があります。つまり、ちゃんと最終的な目標があって、質問している。

医者の実力は患者さんに対して、何を問診するかでわかります。ちゃんと勉強している医者はその質問をするのにはその理由があります。勉強していないと、なんとなく情報を集めて、なんとなく治療します。それに対する違和感をためて、勉強をしていけば、質問が適格になり、患者さんの状態像を正確に把握でき、治療の質は上がります。

これはどの仕事でも同じだと思います。日々仕事をする中で、面倒になって流してしまいがちな違和感を自分の中でいかに貯めておけるのか。そしてそれと向き合う時間をちゃんと持てるのか。それが現状を打開したり、成長したりするためには不可欠なことなのでしょう。すぐになまけてしまう自分に対して、言っておきたいなと思い、今日は書きました。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。