2014年11月14日金曜日

初めてお会いする患者さんをいい人だと本気で思う

僕は最近気づいたことがありました。「この患者さん、話しやすいな、やさしい人だな、がんばってるな」と僕が思えた人は状態がよくなる可能性が高い。逆に、それを思えない患者さんはなかなかよくならない。ざっくりいうと、僕が「この人、いい人だな」と思えた人はよくなりやすい。これって、どういうことなのかと考えました。それは好印象をもてると、その人に共感しやすくなり、ほめたくなり、苦労をねぎらいたくなり、やさしくなれる。そうすると、患者さんも僕のことを肯定的にみてくれる。この循環が治療自体をしやすくし、状態がよくなりやすい。なんか単なる僕のわがままみたいに聞こえますね?(笑)でもこれは一応、ちゃんと理屈があるんです。

実はこれ、僕が今勉強しているシステムズアプローチという心理療法のP(Positive)循環という考え方です。P循環とは愛、喜び、感謝、信頼などの肯定的な考え方が自分の中に多ければ、自分と相手との間で肯定的な循環が生まれるということです。それを自分の治療でどうなっているのかを想像した時に、あらためて自分の治療経験から腑に落ちて、理解できたことでした。今、僕は実はこのシステムズアプローチの第一人者の東豊先生を勝手に師匠と仰いでおります(笑)

それに気づいて、最近意識しだしたことがあります。それは「初めてお会いする患者さんのことをいい人だな」と本気で思うことです。具体的にはその人のいいところ、ほめたいところ、その人なりにがんばっているところを徹底的に探します。そして、そのような肯定的なその人へのイメージを伝えていく。そうすると、患者さんの緊張が和らぎ、話をしてくれるし、僕の言葉も理解しようと努力してくれるし、治療もしやすくなる。大切なのはいい人だと僕が本気で思えているかです(100%は無理にしても)。それが無理をしていい人だと思おうとすると、すぐにばれます。でも不思議なことに、このP循環を意識すると、そんなに努力しなくても、その人のいいところが見えてきて、やさしくしたくなっちゃうんです。

これは普段の僕たちの生活の中でも使える概念なんです。自分が好印象を持った人は多くの場合、相手も好印象をもってくれます。それはこちらの言葉、態度にその人へ好印象が出るからです。初めて出会う人のいいところを見つけるという姿勢をもてば、かなりの確率でその人と仲良くなれます。僕は仕事でたくさんの新しい方にお会いします。この考え方を持つようになって、かなり治療がしやすく、自分としても気持ちが楽になっていることに気付きました。自分が本気で好印象を持てているかは当然自分でわかりますし、何より、初診が終わる時の患者さんの表情や態度で、その日の診察がうまくいったかはわかります。

精神科では「初診を制する者が治療を制する」という言葉があります。この言葉通り、初診のときに僕自身がいかにその患者さんやご家族をいい人だなと思えるか、それがその後の治療がうまくいくのかの鍵になる事に気付きました。

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