2014年9月8日月曜日

発達障害の告知について

病気の告知をするということを医者になってずっとしてきました。小児科では白血病などの悪性腫瘍、心臓や腎臓の疾患、てんかん、神経が傷害されていく疾患、精神科では統合失調症、うつ病、認知症、発達障害など。関わった患者さんの数だけ、重い病気のお話をする機会に遭遇します。

今の僕は発達障害の告知をすることが一番多いかもしれません。発達障害という疾患の特性上、生まれた時から、死ぬまで一生影響を受ける内容です。

ただ、告知という面では他の人生を左右するような疾患とそう大きく違いはないのではないかと考えています。つまり、いずれご本人には伝えなければならないということ。異論は多いかもしれませんが、僕は疾患について本人が知らないというのは周囲の人の自己満足というか、無意味なことと考えています(もちろんその病名を知ることがご本人にとって幸せなのかの判断はご本人しかできませんが)。

「本人の前では発達障害という言葉は使わないでください」

時々ですが、親御さんから言われます。

では発達障害という言葉を使わずして、診療をするというのは実際に可能なのかを考えてきました。その言葉に触れずに、本人が困っていることを解決していく。それはおそらく不可能でしょう。

発達障害についての理解が大切だということは昨今、本当によくいわれていることです。本人も周囲もそれを理解して、どう付き合い、どう向き合い、どう対処していくのかを一緒に考える。発達障害を根本的に治してくれる治療法がない限り、現時点でこれ以上に大切な治療法はおそらくないでしょう。

告知の時期や方法という問題はありますが、僕は発達障害については診断がはっきりするならば、就学前、小学校、中学校と年齢に合わせて、やりにくさ、病名などを伝えて、一緒に生きやすくなる方法を探していこうという態度が大切だと考えています。その方がご本人も家族も前向きに生きている気がするんです。

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