2014年4月21日月曜日

将棋と精神科治療は似ている

子どものころ、一時期将棋にはまって、デパートで開催される日曜日の将棋祭りに行ったことがあります。長いテーブルを4つで正方形にして、中にはプロ棋士の人がいて、そのテーブルの上に将棋盤が並べられ、子どもたち20人くらいに対して同時に指してくれます。飛車、角落ちの状態ですが、もちろん相手になんかなりません(笑)。プロ棋士の人が一人ずつにまわってきてくれて、状勢を見て、一手を指したら、となりの子どものところに行き、また一手指します。

ある日診療をしていて、ふとこの昔のこの時の光景が浮かんできて、僕は患者さんを相手に診察のたびに将棋を一手ずつ指しているのと同じだなと気づきました。どうしたらこの将棋を詰めることができるのか。つまり、患者さんがよくなるのか。先ほどのプロ棋士の人と同じで、1日に何十人もの人と連続的に対峙して、その日の一手を指すわけです。

僕は将棋と精神科の共通点を感じてからは棋士の書かれた本をよく読むようになりました。
森内俊之名人の著書の中で対局の最中に「こんな手があるのか、こう攻めてくるのか」と気づいて、どんどん知的好奇心が刺激されて、それで自分が成長してることを感じるとありました。これまた僕も診療の中で患者さんが言われることで、「なるほどこんなときは人はこう感じるんだ」と内心すごく興奮するときがあります。それを自分の中に貯めていける、吸収していける瞬間があります。こんなところまでも、似ていると読んでいて感じました。

診療での自分の中の蓄積を多くして、明日も効果のある新たな一手が指せたらいいなと思います。

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