2014年4月14日月曜日

患者さんに苦言を呈する

生きている中で人に対して苦言を呈するときは誰しもあることだと思います。

僕たち精神科医は生活のこと、その人の人生が話題になることが多い分、僭越ながら患者さんに苦言を呈することがあります。これはなかなか勇気の必要なところです。逆に言えば、患者さんの言うことに同意を続けて、やさしい声かけをすることは簡単です。そうすれば、患者さんと表面的にはうまくいくでしょう。でもそんななあなあの治療で、実際にその方の状態がよくなっているのかです。大切なのはその患者さんがよくなっているのかです。

診察を重ねる中で、患者さんにとって「ここはがんばりどころですよ」という時があります。それは患者さんにとっては痛いところを突かれたり、耳の痛い話なわけです。僕自身も自分でいいながら、これを受け入れてもらえる状態なのか、この言葉が本当にこの人のためになるのかを考えてから発言するようにしています。やはり苦言を呈するにはいつどのタイミングでいうのかが大切です。

最後はもう賭けとしか言いようがありません。この言葉を発することで、その患者さんが怒ってしまってもう来ない可能性もあります。精神科の治療は1回1回の診察をつなげていくことが大切なので、来なくなると終わってしまう。それは僕としては避けたいところです。ただ、僕がいつも思うことは僕に嫌なことを言われたからと、そこから奮起してがんばってくれればそれでいいと思っています。通院を続けることが目的なのではなく、その患者さんの状態がよくなることが目的ですから。もっと言えば、その時は状態が悪くなってしまったとしても、いつの日か、僕の診察の中での言葉を思い出してくれて、それで状態がよくなれば、うれしいなという一抹の希望を持って、苦言を呈するようにしています。


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