2014年1月30日木曜日

「患者さんの笑顔が見たいから」という言葉

「患者さんの笑顔が見たいから」

どこかでよく聞くフレーズですよね。よく医療者は患者さんの笑顔を見ると幸せを感じるという話も聞きます。僕はこれについては何となく聞き流していましたが、自分に当てはめて考えると少し違うなと感じています。患者さんの状態がよくなったり、喜んでもらえると確かに嬉しくはなりますが、それが直接自分の幸せまでとはいきません。僕は幸せを感じるというよりも、内心ほっとするというのが本心です。患者さんが何らかの症状や問題を抱えられていて、それに自分が答えらるのかというプレッシャーを常に感じます。患者さんからの場合もありますが、どちらかというと自分から自分へのプレッシャーが強いですね。結果を出さないといけない。

特に開業医になった僕は患者さんによくなってもらえないと、その患者さんは来られなくなります。しかも精神科の治療は僕にとっては正直難しいです。まさに難問を与えられてる受験生と同じです。診察室の中で必死に考えて、ようやく治療につながるかどうかという程度です。なので、患者さんがよくなられると嬉しさもありますが、ほっとします。「僕はちゃんとニーズに答えられたんだな。あーよかった。」と胸をなでおろすわけです。そしてその日の診療が終わって、一息ついた時に充実感が自分の中にわいてきます。でも翌日にはそんなことは忘れて、また新たな難問に挑戦する。そんな日々の繰り返しです。

良くなられた患者さんのことよりも治せなかった患者さんのことをよく覚えているものです。自分はちゃんとニーズに答えられなかった、治せなかったんだなと。そう考えると悔しい思いをすることばかりです。そんな僕自身を奮い立たせるためにイチロー選手が日米通算4000本安打を達成した時の言葉を思い出したので、今日は最後にその言葉を載せたいと思います^^

「いい結果を生んできたことを誇れる自分では別にないんですよね。誇れることがあるとすると4000回のヒットを打つには僕の数字で言うと、8000回以上は悔しい思いをしてきているんですよね。それと常に自分なりに向き合ってきたことの事実はあるので、誇れるとしたらそこじゃないかと思いますね。」

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