2013年12月6日金曜日

症状が重くなったときの治療の困難さ

医学の分野ではさかんに予防医学が叫ばれている昨今です。

精神科においてもそれは同じで、精神疾患の発病を予防するために規則正しい生活をしましょう、軽い運動をしましょう、早めに薬を飲みましょう、社会や職場での理解を深めるためにメンタルヘルスの講習会をしましょうと言われています。

日々の診療の中で、比較的軽症の段階で受診される方と、ぎりぎりまで待たれて受診される方がおられます。特に病院で勤務しているときは救急車に乗らないと受診できない、警察と一緒じゃないと受診できないような重症の方に出会いました。一方で、今のような外来診療であっても、かなり状態が悪くなって、初診の時点で入院も考慮しないといけない方もおられます。

病院やクリニックを含めた医療機関を受診するときの気持ちってどんなものでしょうか?

なんか怖いことを言われたらどうしよう、重症だったらどうしよう、はじめて会う人にこんなことを話しても大丈夫かな、こんなくだらないことを相談して変に思われないかな、それでなくても調子が悪くてマイナス思考になってるのに何か言われたらもっと落ち込むだろうな。

いろんな気持ちが交錯すると思います。僕も体調が悪い時に内科を受診するときは同じ気持ちです。つまり医療機関を気持ちよく受診するということはほぼないと思うので、できるだけ受診したくないというのは人情でしょう。ただ、自分の中で何か異変を感じているのに、それをごまかしながら日常生活を過ごして時間だけが過ぎて、そのときには症状や問題が大きくなっていることがすべてとは言わないまでも確かにあります。つまり重症化している状態です。

精神科の場合、症状が重くなって問題なのはご本人の気持ちや考えが病気の症状のせいでまとまらなくて、ご本人もイライラするし、家族も混乱しておられます。そうなると精神科医としても状態を把握しにくくなります。さらに状況が複雑になり、問題解決の糸口を探すのに時間がかかり、治療にも長期間を要します。そうなるとご本人、家族とも改善が見られないことへのいらだちが出てきて、お互いの衝突が増え、家族全体として状態がさらに悪くなるという悪循環になります。

治療させていただく立場としてはやはり早めに受診してほしいです。症状が初期で、状況を把握しやすく、複雑化していないため治療もしやすいので、治る確率も高まる。これらのことからいろんな意味でお勧めしておきたいです。

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