2013年11月22日金曜日

親にほめてほしい

診療の中でたくさんの人の気持ちをお聴きしていると、表面的にはいろんな症状や問題がありながらも、診察を進めていくと根底に「親にほめてほしい」というのがある方に出会います。

親にほめてもらいたくて、がんばる。

これは多くの人が心の底で思っていることではないでしょうか。幼いころからの自分を一番近くで見てきた人。一緒に過ごした時間が長い人。社会に出ると周りの人たちは自分のことをそんなに簡単にはほめてくれません。誰かに褒めてもらえない時でも、頑張ってる自分がいます。それを自分でほめることも大切でしょう。でも、誰に一番ほめてほしいって、他人じゃない。他の誰よりも親にほめてほしい。そのほめてほしい気持ちは今さら言えない、恥ずかしい、言ってもどうせわかってくれない。いろんな理由があると思います。

僕の親はそれほどよく褒めてくれたわけではありませんが、子どものとき、たまに褒められた時のうれしさと言ったら、子ども心に言葉では表現できないくらいうれしかったですね。もちろん、今も親に褒めてほしいという気持ちはあります。僕の祖父は褒めるということが苦手な人で、褒められた記憶はほとんどありません。僕が大学生のときに祖父は亡くなりましたが、今も「おじいちゃんに褒めてほしい」という気持ちがあります。

僕は親に褒めてほしいという気持ちをお持ちの子どもや大人の方にお会いしたとき、照れくさいかもしれないけど、勇気を出して「ほめてほしい」という素直な気持ちを話すことをお勧めしています。もし親御さんがいらっしゃらない場合にはそれに代われる人に話す、あるいはそれもできない場合には僭越ながら主治医である僕がほめて差し上げることにしています。そのほめられるという体験がその人の生きる力になりますように。そんな願いを込めて。

他には何もいらない。「よくがんばったね」、その一言がほしいだけ。

そんな気がしています。

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