2013年10月21日月曜日

後医は名医

「後医は名医」

後に診察した医者のほうが情報が多く治療しやすく、患者さんの状態も良くなりやすいということです。

これは研修医の時に指導医の先生に教えていただいた言葉です。

日々の診療の中で、複数の医療機関を受診してから来られる方、その逆で僕のところに来てくれて他の医療機関を受診したい方。もちろん両方あります。

研修医の時にこの言葉と同時に習ったことがあります。それは自分が後で診察した医者であれば、決して前に診察された医者の批判はしないということ。まあ、これは同業者としての最低限のマナーですよね。改めて言うまでもないことかもしれませんが、患者さんの前で他の先生の批判はしてはいけません。また後からの評価なら誰でもできます。まあ、現実として僕らくらいの世代の先生で患者さんの前で他の先生を批判している人は見たことがありません。もともと良識を持った先生も多いでしょうし、研修医の段階でそのような心得はみんな習っているのだと思います。

複数の医療機関を受診されて来られた方の中には診察室の中で「あの先生は話を聴いてくれなかった」、「何年通ってもよくならない」と言われる方もおられます。そして診察の後に、「先生は前の先生とは違う。これからついていきます。」なんてことを言ってくれる方もおられます。でも僕はその時、「僕もどこかで同じようなことを言われているんだろうな」と思っています。だって、自分が他の先生方よりも優れていて、患者さんに満足していただけるなんて自信(過信?)は僕にはありません。他の先生と自分を比較する余裕もありません。ただ目の前の患者さんをよくすること、自分の技術を磨くことに腐心するしかありません。他の人の畑を気にしている暇がない。自分の畑を耕すだけで精一杯です。また精神科の治療は主に人の会話で行われるものです。先生のお考え、お互い(患者さんも医師も)の状態、ニュアンス、その時の状況によって様々です。他の先生の診察をそこで見ていたわけでもないのに批判なんてできません。


患者さんには僕も宋こどものこころ醫院もいろんな方面からの評価をいただいてると思います。その時に僕が思うのは、自分たちを大きく見せるのではなく、今自分たちができる小さなことを一つ一つしていく。それに尽きると思っています。

最後に僕の好きな言葉を一つ。
2004年には年間262安打を放ち、ジョージ・シスラーのもつ年間257安打を84年ぶりに更新したときのイチローの言葉です。

「いま、小さいことを多く重ねることがとんでもないところに行くただ一つの道なんだなというふうに感じています」

これは患者さんにも言えることだと思います。精神科の治療はすぐには結果が出ません。希望を捨てずに、小さなことを一緒に重ねていけたらと思います。

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