2013年9月27日金曜日

かんしゃくを起こす子は発達障害?

「かんしゃくをおこして大変なんです。発達障害なのでしょうか?」、「気に入らないことがあると大騒ぎするんです。ADHDなんでしょうか?」

児童精神科外来でよく聞かれる質問です。

確かに発達障害の子どもたちは刺激に敏感で、注意しても内容が本人に伝わりにくく、同じ間違いを繰り返し、ストレスがかかるとどうしていいかわからず騒ぎます。ただ、これらの訴えで来られた子たちの中で、実際に典型的な発達障害で、本人への特別な対応(たとえば周囲からの刺激を減らす、絵を見ながら説明するなど)を考えないといけない場合はそれほど多くはありません。むしろ、知能が高く、状況をよく把握して、大騒ぎしていることが多いが僕の印象です。

「個性を大切にしましょう」、「自主性が大切です」、「教え込むのではなく、自発的に」という言葉が実際に幼稚園や保育園ではよく語られ、テレビで専門家と称する人たちがそんなことを話します。僕は子どもとは真っ白な何のルールも備わっていない本能の塊だと思っています。お腹がすけば泣き、気に入らないと騒ぎ、おいしいと思えばそれをずっと食べ、楽しいと思うゲームはずっとしてしまいます。そんな真っ白な子どもにどうやってルールを教えるかです。ルールが理解できると、子どもたちは自分でブレーキがかけられるようになります。僕たち大人も社会的なルールがあるから、自分でブレーキをかけられるわけです。

子どもの自主性とはルールがあっての自主性です。そこにルールがなければ、子どもの自主性という名のもとに、子どもに好きにさせているだけです。それは放置です。いいこと、悪いことの区別をあいまいにしてはいけません。それを注意することは親としてエネルギーがいりますし、注意して子どもが泣くと、それを見ていられない親がいます。一言でいえば、「子どもに我慢を教える」ということです。以前にも書きましたが、公共の場で子どもが騒いでいて、許せるのは親だけです(親でも中高校生になって家で騒いだら許せなくなります)。周囲の他人はその子をかわいいとは思いません。親にだけかわいいと思われる子は社会では通用しません。社会に愛してもらう子に育てなくてはいけないのです。

発達障害であるかを心配する前に社会で生きていく上での基本的な善悪のルールを子どもにしっかり伝えて、それができた時にはしっかりほめて、できていない時にしっかり叱っているのかを確認していただきたいと思います。発達障害という言葉が流行しすぎて、「いうことを聞かないで騒ぐ子=発達障害」という構図ができているように感じます。たとえ、発達障害であったとしても、ルールを伝えるということは同じです。その伝え方にさきほど挙げたような工夫が必要だという違いだけです。

ルールの伝え方はその子の性格、発達障害の有無、親の考え、環境などで様々でしょう。言い聞かせるだけでできる子、きつく叱らないとできない子、ほめればできる子、場合によっては叩くことも必要でしょう。要はその子に合ったルールを伝える方法を考えることが重要であるということです。そのためにはまずは本人の状況をよくよく観察してください(ここにヒントがあります)。そしてご家庭で工夫されて、それでも難しいときは子どもに関わる機関(子ども家庭センター、児童精神科など)に相談されることをお勧めします。

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