2013年7月20日土曜日

精神科医も命にかかわる仕事

テレビでは外科や内科の先生が人の命を救うという番組が多い気がします。難しい手術をしたり、特殊な薬を使って治療する先生たち。すごいですよね。僕もいつも格好いいなあと思います。

それに対して、みなさんの精神科医のイメージってどんなものでしょうか?精神科医って話を聴いて薬を処方するだけ?僕は恥ずかしながら、小児科医をしているときまでは精神科はあまり人の命と関わらないのではないかと思っていました(最近はさすがにうつ病の自殺が取り上げられていますね)。

でも実際に精神科の臨床を始めると、いつも死の間近にいる人たちに出会います。深くリストカットをしてしまい血が止まらない子、マンションから飛び降りて全身の骨折をする人、首をつろうとして家族に止められる人、睡眠薬をたくさん飲みすぎて呼吸が止まった状態で病院に来る子。みなさん、それぞれの事情を抱えて、危ない行為をされます。精神科医としては一番緊張する瞬間です。そんな時、精神科医の自分自身がいろんな患者さんの命をつないでいるんだなと感じます。これは決して不遜な気持ちではなく、「今、僕が言葉を間違えたら、大変なことになるかも」と思うわけです。

そのときに、改めて、命に関わっているのは外科や内科の先生だけでなく、精神科医も本当の意味で人の命にかかわる仕事なのだなと痛感しました。

僕の中では、自殺に向き合う精神科診療はいつちぎれるかわからない細い糸のようなものを使って、一日一日その人の命をつなぐイメージです。その細い糸に自分の診療がなれればと思います。


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