2013年7月18日木曜日

「うちの子、ADHDだと思うんです」


診察室に入って、まだ話をしていないうちから「うちの子、ADHDだと思うんです」、「私はうつ病なんで認知行動療法をしてください」、「この薬は副作用があると聞いたので、他の薬に変えるか、減らすかしてください」という方がおられます。
 
精神科の病院やクリニックを受診するまでにかなりつらい思いをされているため、気持ちはかなりわかります。でも考えてみるとこれらはかなり危険なことです。
 
今はネットを中心に情報が溢れすぎて、それを読んで「自分は~だ」、「この症状は薬のせいだ」と思い、原因をつかんだので少し救われるみたいなことはありえると思います。

でも診断や治療法というのは、その人の状態から医師が診察の中で判断することです。あまりそういう視線を持ちすぎると自分や子どもが「~病」、「~障害」だと思い込んで、ネットに書いてある症状を診察時にそのまま話をします。そうすると誤って主治医に「~病」、「~障害」と診断されてしまう可能性が高まります。つまり、誤診される可能性が出てくるわけです。
 
なので、受診するときに知識を持っていただくことは大切ですが、それを診察時にあまり主張しすぎると、診察してもらってる主治医に「~病」、「~障害」だと思わせてしまうわけです。当たり前ですが、医師も人間です。情報に流されるということがあるわけです。特に信憑性の高い大人である親御さんの言葉です。特に精神科という検査結果で診断することがほとんどない科ではそれが顕著に出てしまいます。治療法や薬も同じです。
 
あくまで僕の印象ですが、診察時にあまりに一つの診断、治療、薬にこだわってしまう方はどうしても治りにくいです。医師も完璧とは言いませんし、はっきり言って玉石混交だと思います。でも素直にお話ができる患者さんは治りやすく、こちらが考えた末の考えをお話しても、ご自身の考えを変えられない方はいろんな医療機関を渡り歩いていたり、治りにくい印象です。知識は持っていらっしゃっても、まずは普通に診察を受けていただき、医師の言ってることと自分の状態があまりに違うなというときに、それらの知識を出していただくほうが、誤診されないですむと思います。また、「この先生は悪くないな」くらいの医師に出会われた場合には、基本的にはその主治医の先生の指示に従っていただくのが得策だと思います。

昔、勤めていた病院の先輩がいつも患者さんにお話されていました。「ネットはいいこともあるけど、必ず副作用もあるよ。だからほどほどに見ておかないと自分自身が辛くなるよ。だって誰が書いたのかわからないんだから。」と。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。