2013年6月12日水曜日

患者さんと医療者の期待のずれ

みなさん、おはようございます。

近畿地方に台風が来るのかと思いきや、東にずれていきましたね。そのおかげか、今朝の大阪の空は青々しくて美しくなりました。

今日は患者さんやそのご家族と接する中でたびたび困るなあと思うことを書いてみたいと思います。

ある本で読んだのですが、医療機関へのクレームの原因で一番多いのは医療者と患者の期待の齟齬だそうです。患者さんは病院というところに行けば自分の問題は解決すると期待されてこられます。もちろん医療機関は病気を治療するところですから、治ることを期待されるのは当然です。しかし、現実には治療できない病気もありますし、特に精神科では治療するのに何ヶ月も、あるいは何年もかかる場合が多々あります。そして何よりも大切なのは患者さん本人や家族の協力が治療には不可欠であるということです。

たとえば糖尿病の治療中の人が毎日暴飲暴食をしていては糖尿病は必ず悪化します。高血圧も統合失調症もうつ病も同じです。日々の患者さんの努力や家族の協力が必要です。つまり、病院にさえ通っていれば患者さんや家族は何もしなくていいというスタンスでは治療はできないということです。

医療全般に言えることかもしれませんが、治療とは患者さん自身と患者さんを囲む医療機関、家族、福祉や介護のサービス、その他の関係機関のそれぞれの協力があって、はじめて成り立ちます。これは精神科、児童精神科も例外ではありません。

情けない話ですが、患者さんやそのお母さんのアイデアが契機になってよくなられる方もたくさんおられます。それは僕が患者さんの状態や生活を正確に把握できておらず、より観察しておられるお母さんが治療されているわけです。その時に内心、治療している僕としては自分の実力のなさを痛感し、申し訳ない気持ちなり、患者さんの観察や状態の把握の重要性を再確認させられます。しかし一方で、それでいいのかなとも思います。お母さんは誰よりも自分の子のことをつぶさに観察しているわけで、治療している僕はそのお母さんを支え、そのアイデアの材料を提供しているのかもしれません。人と話す中で自分の発想がわいてくるというやつですね。

僕は患者さんとそのご家族と協力しながら、状態が少しでもよくなるための方法を一緒に模索したいなと考えています。

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